この記事で整理すること

  • 予約件数の比率と売上の比率を混ぜない
  • 直販にも固定費・変動費・運用工数がある
  • 売上を同じと置いた比較で分かるのは費用の差だけ。集客の効果は分からない

直販比率は、売上の割合で測る

直販比率という言葉は、予約件数、泊数、売上のどれを分母にするかで意味が変わります。たとえば長期滞在の予約が多い経路と短期の予約が多い経路では、件数比率と売上比率が一致しません。販売コストの試算には売上比率を使い、同じ期間・同じ集計範囲の数字を入力します。

電話予約や現地予約を直販に含める場合は、その扱いも固定します。自社サイト経由だけを増やしたいのに、電話分まで合算すると施策の変化が見えません。全体を比べる表とは別に、直販の内訳も控えておくと、あとで効果を確かめるときに役立ちます。

直販の費用を、変動費と固定費に分ける

直販の売上に応じて増える決済費や予約エンジンの従量料金と、月額の利用料・保守費・広告予算などを分けます。自社スタッフが担当する予約確認や変更対応は、外部への支払いがなくても時間を使います。金額に直すときは自分で決めた時給を使い、元の作業時間も書いておきます。

広告費を新規の予約だけに割り当てるか、リピーターを含む全予約に割り当てるかも決めておきます。広告を見てサイトを訪れ、電話で予約する人もいます。アクセス解析だけでは追えない部分は、推定で埋めずに『不明』としておきます。

売上が変わらない場合の、費用だけの差

仮定の計算例です。月間対象売上500万円、OTA料率22%、直販の変動費率3%、直販固定費5万円とします。直販比率20%(OTA比率80%)では、OTA費88万円、直販変動費3万円、固定費5万円の合計96万円。直販比率40%(OTA比率60%)では、OTA費66万円、直販変動費6万円、固定費5万円で合計77万円となり、差は19万円です。これらの料率と金額は計算説明のための仮定で、実在サービスの料金ではありません。

差額19万円は、この売上を保ち、入力費用も変わらない場合に限った比較です。広告費が追加で掛かる、客室単価が下がる、予約総数が減るなどの変化は含んでいません。結果のそばに前提を書いておけば、費用の差を利益の増加と取り違えずに済みます。

変えた後は、同じ季節・同じ販売条件で見比べる

OTAは手数料の支払い先であると同時に予約の入口でもあります。直販比率が上がったことだけで成果と決めず、全体の宿泊売上、販売した室数、キャンセル、販売コストを並べます。休館や客室改修があれば、それもメモに残します。

観光庁の宿泊旅行統計は、地域や施設区分ごとの動きを知るための資料です。ただ、その数字がそのまま自分の宿の需要になるわけではありません。自分の宿の実績と外の情報は分けて読み、ツールにも実績と仮定を分けて保存してください。

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出典・確認日

  1. 観光庁|宿泊旅行統計調査 ↗確認日:2026-10-16

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