この記事で整理すること

  • 稼働率は分母となる販売可能室数の定義をそろえる
  • 客室売上の指標と施設全体の損益を分ける
  • 利益と資金残高の差は、入金・支払い・返済の時期から見る

客室売上を、数と単価に分ける

同じ期間の販売可能室泊数、販売室泊数、客室売上を用意します。管理用の基本式は『稼働率=販売室泊数÷販売可能室泊数』『ADR=客室売上÷販売室泊数』『RevPAR=客室売上÷販売可能室泊数』です。ADRは販売した1室あたりの平均単価、RevPARは販売できる1室あたりの売上です。稼働率を小数で表せば、ADRに稼働率を掛けてもRevPARを計算できます。1室も売れていない月は、ADRは計算できません。

一例として、仮に販売可能300室泊、販売180室泊、客室売上216万円なら、稼働率60%、ADR1万2,000円、RevPAR7,200円です。施設の実績や業界の平均ではなく、式を確かめるための例です。食事代などを客室売上に含めるかも定義し、過去月と同じ方法で比較します。

分母が変わる月を見逃さない

改修・休館・故障で販売できない客室があった月は、販売可能室泊数の扱いで稼働率が変わります。分母から外した室泊数と理由も記録し、稼働率だけを前年と並べないようにします。客室タイプ別の構成が変わったときも、全体平均だけでは単価の変化を読み違える場合があります。

観光庁の宿泊旅行統計には施設区分や地域ごとの集計があります。比べるときは、地域、時期、施設区分、速報値か確定値かを確かめます。自社の管理指標と統計の定義が違う場合は、同じ数値として扱いません。

売上の次に、残る金額の構造を見る

客室売上の横に、食事・物販などの売上を分けて置きます。費用は、販売経路の手数料、清掃・リネン、食材、人件費、水道光熱費、家賃・保守など、明細から追える区分にまとめます。売上が増えた理由と、費用が増えた理由が同じとは限らないためです。

金融庁の宿泊業向け資料も、宿の事業性を見るときに、設備の状態と資金調達の関係に目を向けています。日々の数字とは別に、更新が必要な設備、見積の有無、支払いの時期を一覧にしておきましょう。修繕を先送りしたせいで費用が少なく見えている月にも気づけます。

月末残高を、利益と別の表で追う

資金表では、月初残高に実際の入金を足し、支払いを引いて月末残高を出します。OTAからの入金待ち、前受金、設備購入、借入元本返済などは、損益表の数字と時期や扱いが一致しない場合があります。会計処理はこの表では決めません。お金の出入りを確かめる補助の表として使います。

毎月の会議では『稼働率が上がった』で終わらず、販売室泊数、単価、販売費、運営費、資金残高の順に差を確認します。理由が分からない変化は『未解明』と書いて残し、元の予約明細や請求書をすぐ見返せるようにしておきます。

確認リスト

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作業の進み具合の記録です。完了しても適法性や事業の可否を判定するものではありません。

出典・確認日

  1. 金融庁|業種別支援の着眼点:宿泊業 ↗確認日:2026-10-16
  2. 観光庁|宿泊旅行統計調査 ↗確認日:2026-10-16

制度の対象・期限・地域ごとの取扱いは、必ず最新の公式案内をご確認ください。本文は一般的な情報と資料整理の手順であり、個別の法務・税務判断を提供しません。